スズメバチ科の狩蜂類(ハラホソバチ亜科Stenogastrinae、ドロバチ亜科Eumeninae、アシナガバチ亜科Polistinae、スズメバチ亜科Vespinae)を対象として,分類学・系統学・生態学的研究などを行っています.主な研究内容は以下の通りです.

 

 

1.  社会性狩蜂の分類・系統学的研究および生物地理

 東南アジア産の社会性狩蜂類に関する記載分類.分子データを用いた系統推定および生物地理に関する研究.

Eustenogaster nigra Saito & Nguyen 2006 (ハラホソバチの一種)

 

2.  社会性狩蜂コロニーの血縁構造に関する研究

チビアシナガバチ属Ropalidiaのコロニーの血縁構造(特に巣を物理的に分割する行動がみられるR. plebeianaについて)と形態的カースト分化に関する解析. 遺伝マーカーを用いた個体間の血縁関係の推定や,解剖・形態計測・統計分析によるカースト分化様式の解明.ハラホソバチ類のコロニーの血縁構造に関する研究

R. plebeianaによる巣の分割行動のイメージ            オーストラリアでの調査風景

3.  社会性狩蜂の越冬生態に関する研究

ホソアシナガバチ属(Parapolybia)やハラホソバチ類の越冬集団に関する研究.

その他アシナガバチやスズメバチの越冬様式に関する研究.

ムモンホソアシナガバチParapolybia crocea (左)とホソアシナガバチParapolybia varia (右)の越冬集団   

 

4.  寄生線虫に関する研究

ホソアシナガバチに寄生するタマセンチュウ属(Sphaeruralia)の一種の感染動態の解明

 

5.  その他の社会性昆虫を対象とした生態学的研究 など

捕殺トラップを用いたスズメバチ類に関する研究

茨城県内での調査風景

アリ類の生態に関する研究

茨城県内の昆虫類の多様性に関する研究

チャイロスズメバチVespa dybowskiiの分布拡大に関する研究

ドロバチ類の生態に関する研究